病理医から伝えたい3つのこと
-
p.1
病理医から伝えたい
3つのこと
ちょっとしたコツで病理検査が変わる!?
ノースラボ 賀川由美子p.1 -
p.2
組織生検に期待すること
1.腫瘍の種類を知りたい
2.腫瘍の悪性度を知りたい
3.マージンを知りたい
予後の予測をしたいp.2 -
p.3
p.3 -
p.4
3つのポイント
1.組織の固定
2.組織の取り扱い
3.依頼書の書き方p.4 -
p.5
組織の固定
検査検査はここから始まるp.5 -
p.6
これ何だと思います?
p.6 -
p.7
じつは小腸のバイオプシーでした。
生食
ホルマリン固定p.7 -
p.8
固定不良
• ホルマリンの濃度が間違っている。
• ホルマリンの量が少ないp.8 -
p.9
ホルマリン頼んだはずなのに・・・
ホルムアルデヒド溶液37%???p.9 -
p.10
何倍に希釈しますか?
1. ホルムアルデヒド37%をそのまま使う
2. ホルムアルデヒド37%を3倍に希釈
3. ホルムアルデヒド37%を10倍に希釈p.10 -
p.11
何倍に希釈しますか?
1. ホルムアルデヒド37%をそのまま使う(100%)
2. ホルムアルデヒド37%を3倍に希釈(30%)
3. ホルムアルデヒド37%を10倍に希釈(10%)p.11 -
p.12
10−20%ホルマリン溶液
水あるいは生理食塩水
80
ホルマリン原液
(ホルムアルデヒド溶液37%)
20p.12 -
p.13
組織の固定は?
1. 冷凍
2. 冷蔵
3. 室温
4. 加熱p.13 -
p.14
組織の固定は?
1. 冷凍
2. 冷蔵
3. 室温
4. 加熱p.14 -
p.15
ホルマリン固定
1時間に2-3mm:室温p.15 -
p.16
ホルマリン固定
室温
組織の変性
ホルマリン固定
温度低い
温度高いp.16 -
p.17
組織の送付は冷蔵?冷凍?
• 常温で送付
• ホルマリン
• 温度が上がるほど固定力が強い
正常な肝臓
凍結した肝臓p.17 -
p.18
これなんでしょう?
p.18 -
p.19
容器の選択
大きすぎる容器
小さすぎる容器p.19 -
p.20
容器の選び方
口の狭い容器
適度な余裕
余裕なし
目安:組織の5-10倍のホルマリン量p.20 -
p.21
p.21 -
p.22
組織の送付も注意が必要!
p.22 -
p.23
ガーゼに包むと…
p.23 -
p.24
Tru-cutで採取しました。
スタンプを作製しましたので、
参考スライドとして提出します。p.24 -
p.25
p.25 -
p.26
p.26 -
p.27
p.27 -
p.28
p.28 -
p.29
p.29 -
p.30
思ったよりも
壊れやすいです。p.30 -
p.31
こねちゃってませんか?
• 転がす
• スタンプする
• ピンセットでつまむp.31 -
p.32
固定法のまとめ
⚫10ー20%ホルマリン溶液
⚫常温
⚫ギュウギュウにしない。p.32 -
p.33
割は入れても
いいのか?p.33 -
p.34
どこを
切りますか?
1.皮膚側から
2.皮下側からp.34 -
p.35
p.35 -
p.36
p.36 -
p.37
p.37 -
p.38
p.38 -
p.39
組織の変形
割の入れ方p.39 -
p.40
p.40 -
p.41
上手な割の入れ方
• 長軸に直角に
• 複数の部位に割を入れるとき
• 元の形が分かるように・・・
小さいのはそのままで。p.41 -
p.42
マーキングはしたほうがよい?
p.42 -
p.43
どこが
マージン?p.43 -
p.44
マージンの色づけ
⚫ 墨汁あるいは専用のインク
⚫ マージンを見やすく
⚫ 特に検査する部位を指定
56ml ¥8600p.44 -
p.45
マーキング部位の組織像
p.45 -
p.46
大きい組織どうしていますか?
1.全部送る
2.病変部を一部送るp.46 -
p.47
送付組織の選び方
全部を送付
脾臓
乳腺
足 (
一部でもよい)p.47 -
p.48
血管肉腫と血腫の大きさの比較
脾臓の良性の腫瘤>血管肉腫
「脾臓重量:体重比」
Mass-to-splenic volume ratio and splenic weight as a
percentage of body weight in dogs with malignant and
benign splenic masses: 65 cases (2007–2008)
Mallinckrodt MJ and Gottfried SD JAVMA, :2391325-
1327, 2011p.48 -
p.49
p.49 -
p.50
こんな感じで送れます!
p.50 -
p.51
取り扱いのまとめ
⚫生の材料は優しく扱う
⚫割は入れてもいいけど、マージンは気をつけて
⚫特に調べてもらいたいときには色をつける
⚫切除した臓器は全部送付p.51 -
p.52
期待した結果とちょっと違う
p.52 -
p.53
イメージの共有
p.53 -
p.54
送付部位
皮膚
(ってどこ?)
?
?
?
?
?p.54 -
p.55
発生部位+見た目+犬種など=腫瘍の種類
p.55 -
p.56
どこにできたか?
悪性黒色腫
• 指端部
• 皮膚粘膜移行部
• 結膜
• 口唇p.56 -
p.57
口唇部の肥満細胞腫
p.57 -
p.58
腫瘤から採取
もとの腫瘤ってどのくらい?
足根関節部に病変を認めました。
ツルーカット生検を行いましたので、よろ
しくお願いします。p.58 -
p.59
小さい組織が悩ましい。
p.59 -
p.60
p.60 -
p.61
p.61 -
p.62
p.62 -
p.63
腫瘍の場合
いつから
どこに
どのくらいの大きさ?
何か気になること
黒い
赤い
複数できている
痛い
固着が強いp.63 -
p.64
2021年10月後半より数年前から存在している左後肢足根
部腫瘤の表面が赤紫色になり、穴が開いたとの主訴で受
診。他院では、炎症とのことで治療したが、改善しない
ため、本院に転院。来院時には4-5センチ大で、一部自
潰、出血及び化膿を認めました。左後肢の足根部の腫瘤
とは別件と思われますが、肝葉の先端から7センチ大の
腫瘤性病変および脾静脈―奇静脈シャントが偶発的に認
められました。Tru-cutで3方向より生検しました。よ
ろしくお願いいたします。
• 2121年10月 数年前から存在している左後肢足根部腫瘤 4ー5センチ
• 表層部は自潰、出血、化膿
• Tru-cutで3方向より生検
• 肝臓7センチの腫瘤と脾静脈―奇静脈シャントありp.64 -
p.65
p.65 -
p.66
写真があれば
一目瞭然p.66 -
p.67
p.67 -
p.68
p.68 -
p.69
代謝疾患
腫瘍よりもちょっと詳しく!
• 経過、症状
• 治療による反応
• 検査値の記載
肝酵素↑、上昇ってどれくらい?
アルブミン低値ってどれくらい?p.69 -
p.70
イメージの共有
写真
部位
大きさ
増殖速度などp.70 -
p.71
p.71